川崎(じもと)の弁護士伊藤諭です。 公式ブログにたどり着かれている方には自明のことかと思いますが、ホームページを一新するとともに、法律相談料をはじめ料金体系も大幅に見直しました。 今回の目玉改定の一つが「地元の方初回法律相談料無料」化です。 ※ 「地元の方」とは,川崎市,横浜市鶴見区・神奈川区・港北区,東京都大田区にお住まい・お勤めの個人の方,本店,支店,営業所のある事業者を指します。 私たちがどのような思いでこうしたことに踏み切ったのか、その背景をお伝えします。 もう少し早く来ていただければ Contract / Gunnar Wrobel 日々法律相談を受けていて,もう少し早く相談に来ていただければ,もっと有利な解決,場合によっては事情が逆転するということがよくありました。 いちばん結論が大きく変わるのが時効の問題です。 たとえば,お互いに権利を持っていて自分の権利の方が大きい場合,自分の権利だけが時効にかかって,相殺(双方の債権を同じ価値の分だけ消滅させること)が使えないケースだと,本来であればこちら側に多くの取り分が来たはずなのに,結果一方的に先方に支払うだけになってしまった,という事例です。 ブログ挿絵2 また,契約の関係も大きな問題をはらみがちです。 契約締結の段階では,普通は良好な関係でしょうから,あまりトラブルになった後のことは想像がつきにくいのだと思います。 しかしながら,契約書の内容が問題になるのは,トラブルになったときです。トラブルになってから,「こういう条項があれば」と悩んでも後の祭りです。 いずれも,もう少し早く来ていただければ自分の権利を行使できたり,紛争のタネを事前に摘んでおくことができたものです。 弁護士の側に問題 しかしながら,これらの問題は私たち弁護士の側の問題とも言えると考えました。 私たちは常々気軽に相談してくださいといい,また実際に気軽に相談して欲しいと思っていました。 ところが,実際は,問題が大きくならないとそもそも弁護士に相談しようという発想にならない。現実に問題が起こったり,裁判になったりして初めて弁護士に相談をしようと考えるわけです。 要するに,これまでは必ずしも弁護士に相談しやすいという環境になかったということで,この点については私たちが反省するべき事情です。 地元のチカラになりたい 私たちはどうしたらこのような問題を解消できるかをいろいろな方の話を伺いながら検討しました。 そうしたところ,弁護士に相談するといくらかかるか分からないという漠然とした不安がその一つにあることが分かりました。 他方で,私たちは地元の皆様に相談していただきやすい事務所でありたいと考えています。私たちが開業以来地元川崎でやってこられたのも,地元の方のおかげがあるからです。また,私たちが今後長いお付き合いをさせていただくにはある程度地理的な制限をかけさせていただいた方が,責任を持って迅速に対応できるという事情もあります。 このようなことから,地元の方初回相談料無料という新サービスを導入した次第です。 これからも地元の皆様に愛されるサービスを心がけていきます。