川崎(じもと)の弁護士 伊藤諭 です。
ヤフー子会社ファーストサーバ社がたいへんなことになっているようです。
当事務所や私個人で使用しているわけではありませんが,クラウドサービス自体すでに欠かせないものになっており,他人事ではありません。
日本人は,大事なものを手元に置いておいた方が安心という意識があり,データもローカルに取っておくという方も多いと思います。HDDやDVDなどに分散して残していらっしゃる方もいるでしょう。
ところが,東日本大震災では,建物ごと破壊されたり,流されたりという事態が発生し,自宅内でいくらデータを分散管理していても全く意味がない場合があり得ることがはっきりしました。
そこで一躍脚光を浴びたのがクラウドサービスです。
もちろんクラウドサービスも万能ではなく,データ流出や消失というリスクも考えられますが,ローカルに置いておいた場合との比較でどちらがリスクが高いかというと,ローカルの方であったと思います。
HDDは必ずいつか壊れますし,メディアも劣化します。盗難や火災に遭うおそれだってあるはずで,完全に防ぐことは困難です。
今回のニュースはある意味衝撃的でした。
クラウドサービスは通常いつもバックアップが取ってあって,一部が消失したとしても復元が可能であるというのがどのサービスでも当たり前だと思っていたのですが,ファーストサーバ社はそうでなかったようです(しかも,HPにはバックアップ体制についてきちんと講じているかのような記載があったようです。)。
こうなると,ローカルとクラウドの両建てでバックアップを自分で取らざるを得なくなりそうです。バックアップ先が多くなると,今度は管理の問題(バージョン管理や流出の危険性)が出てきます。
クラウドサービスには突然のサービス終了ないし縮小というリスクもあります。
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たいへん悩ましい問題です。