川崎(じもと)の弁護士 伊藤諭 です。

弁護士会には様々な業界報があります。

もっとも有名なものとしては「自由と正義」。日本弁護士連合会が月刊で発刊している広報誌です。
外部の方でも購入できます。

今回話題にしたいのが,「関弁連だより」

関弁連とは,「関東弁護士会連合会 」の略で,文字通り,「関東」の「弁護士会」が集まった会。

関東弁護士会連合会

関弁連は,関東甲信越の各県と静岡県(東京高等裁判所の管轄区域)にある13の弁護士会(東京,第一東京,第二東京,横浜,埼玉,千葉県,茨城県,栃木県,群馬,静岡県,山梨県,長野県及び新潟県)によって構成されている連合体です。

そのたぶん一般の人はほとんどご存じ出ないだろう関弁連の広報誌「関弁連だより」の巻頭インタビュー記事が高橋尚子氏のインタビューでした。これがあなどるなかれ,かなり実践的なマラソンのアドバイスになっています。

若干引用を…

○ (笑)。先ほども腹筋のお話が出ましたが,マラソンに腹筋って必要なんですか。
高橋さん 体幹トレーニングは重要ですので,腹筋,背筋はとても大切です。イメージとしては,腰が土台となって,その上に上半身という花瓶が乗っている感じです。土台が斜めになっていたら,花瓶が安定しませんよね。だから,体幹をしっかり鍛えて,上半身がぐらぐらしないようにするんです。私は,腹筋は1日2000回やっていました。
○ えっ?!2000回ですか?!それはすごいですね。
高橋さん 背筋は1日200回くらいやっていました。お腹の周りをドラム缶だとしますと,前の部分だけ鍛えて鉄のようになっていても,他の部分が紙で出来たドラム缶だとバランスが悪いですよね。だから,前面の腹筋だけでなく,横の腹筋も,背筋も,お腹の周りを全体的に強化していかないといけないんです。あと,意外かもしれませんが,腕立て伏せもしっかりやると全然違いますよ。
○ マラソンに腕立て伏せが必要なんですか。
高橋さん 足が4回動くってことは,腕が4回動くわけです。足が4回で腕が2回って人はいないんですよ。ですから,足を鍛える分,腕もちゃんと鍛えておかないとだめなんです。30キロを超えると足が出なくなることがあると思うんですが,足が動かなくなってくると,皆さん,「足動けー,足動けー。」って動かない足にムチを打つんです。でも,足が動かなくなったときは,腕を早く大きく動かせば足が絶対出てくる。出てこないはずが無いんです。私は,腕立て伏せも毎日60~100回くらいはやってました。
○ それでは,レベル別にトレーニングの方法を教えてください。まず,松竹梅の梅の下のクラスのほんとにほとんど走ったことのない人,完全な初心者の方は,どのくらいの距離から走り始めたらよいでしょうか。
高橋さん まず,最初は,完全なウォーキングから始めるのもいいと思います 。疲れるとフォームってバラバラになって崩れてきますが,ウォーキングでしっかりとしたフォームを身につけてからマラソンを始めると,立て直していくことが出来るんです。腕を振る,目線を少し下にする,腰の位置をしっかりするっていうことを頭の中に入れて走っていくと,走り始めたときも楽に走っていけると思います。そして,少しずつ走り始めるときは,15分走って,15分歩いてと,走りと歩きを組み合わせて,体をなるべく長く動かすことを目標にしてください。皆さん,マラソンって聞くと,学生時代の持久走を思い出すんですよね。走らなければいけない,頑張らなくてはいけない,はあはあ言わなくてはいけない・・・。でも,まずはそういう気持ちを全部忘れてください。今のマラソンは違います。花が咲いていたら立ち止まってもいいんです。きつくなったら歩いてもいいんです。
○ なるほど。わかりました。次に,中堅ランナー向け,例えばサブ4(*フルマラソンを4時間以内で完走すること)を目指している人へのアドバイスをいただけますか。
高橋さん 中堅ランナーの方々は,キレイなフォームを意識して下さい。先ほど体幹のお話をさせていただきましたが,それに加えて,目線が重要です。まっすぐ前よりちょっと下です。きつくなってくるとどうしても顎が上がってくる人が多いんです。人間の頭は,実はとても重いですから,顎が上がって目線が上に行くと,どうしても体が後ろに傾きます。傾くと足を上げてもなかなか前に進めません。顎を締めてちょっと前に出すと,体って前に倒れるので,足が簡単に前に出てきます。なので,辛くなったときほど,目線を下げて,顎を締めて,頭をちょっと前に出してください。上り坂でも,人間の心理として頂上を見たくなりますが,そうなると目線が上がって,顎が上がってしまいます。一番苦しい上り坂で,一番苦しい体勢をしているのはもったいないです。そういうときほど顎をしめて,しっかり腕を振っていけば,そこで5人抜けます。

(以上,「関弁連だより」No.190より引用)

いやあ,弁護士会のマニアックな広報誌でこんな実践的なアドバイスをいただけるとは。

30キロの壁をこの前感じたばかりですが,10キロ,20キロの壁もそういえばこの通りだったなと,深く反省しております。

腕立て,腹筋しよ。