川崎(じもと)の弁護士 伊藤諭 です。
ScanSnapが新製品を出すようです。
どんな機械かというと
1. 新技術VIテクノロジー(Versatile Imaging Technology)で、様々な媒体を簡単に電子化
(1) 新聞、書籍など原稿の大きさを問わずスキャン可能 (最大サイズはA3まで 厚さ30mmまで)
(2) 大切な書籍や書類も手軽にスキャン可能
 
2. 自分だけの電子書籍が簡単作成・閲覧できるオールインワン・モデル
(1) 見開きにした本の湾曲を自動補正する「ブック補正」
(2) ページの連続スキャンを効率化する「ページめくり検出」
(3)イメージデータを簡単に電子書籍にできる「楽2(らくらく)ブッククリエーター」
 
3. カンタン・コンパクト・スピーディーを実現する様々な機能
(1) 高速起動 ・高速読み取りでスピーディーに使用
(2) 「マルチクロップ」機能で複数枚原稿の自動切り出し、一括スキャンを実現
(以上Amazon紹介文より)
要するに,非破壊で書類などをスキャンできる機械ということ。
多少のサイズの違いや,立体的なものまでスキャンできます。
書籍をデータ化するいわゆる「自炊」行為は,業者が行う場合にこれまで著作権法とのからみで議論になりました。
しかし,いずれにしても,みずからが私的使用の範囲内の複製であれば著作権法30条により違法ではありません。
(私的使用のための複製)

第三十条  著作権の目的となつている著作物(以下この款において単に「著作物」という。)は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とするときは、次に掲げる場合を除き、その使用する者が複製することができる。

一  公衆の使用に供することを目的として設置されている自動複製機器(複製の機能を有し、これに関する装置の全部又は主要な部分が自動化されている機器をいう。)を用いて複製する場合
二  技術的保護手段の回避(第二条第一項第二十号に規定する信号の除去若しくは改変(記録又は送信の方式の変換に伴う技術的な制約による除去又は改変を除く。)を行うこと又は同号に規定する特定の変換を必要とするよう変換された著作物、実演、レコード若しくは放送若しくは有線放送に係る音若しくは影像の復元(著作権等を有する者の意思に基づいて行われるものを除く。)を行うことにより、当該技術的保護手段によつて防止される行為を可能とし、又は当該技術的保護手段によつて抑止される行為の結果に障害を生じないようにすることをいう。第百二十条の二第一号及び第二号において同じ。)により可能となり、又はその結果に障害が生じないようになつた複製を、その事実を知りながら行う場合
三  著作権を侵害する自動公衆送信(国外で行われる自動公衆送信であつて、国内で行われたとしたならば著作権の侵害となるべきものを含む。)を受信して行うデジタル方式の録音又は録画を、その事実を知りながら行う場合
 非破壊型のスキャナが登場したことで,自らが書籍を解体せずに電子化し,(モラルの面はおいておいて)データ化が終了した後古書店で売却するということができてしまいます。出版業界はこれを警戒しているようです。
しかしながら,積ん読がなかなか裁けない私からすれば,このスキャナは非常に興味があります。どこまで使えるんだろう。
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