昨年末に,事務局用パソコンを買い換えました。
選択肢が事実上Windows8(.1)しかなく,やむなく購入しましたが,どうしてあんな連続性のないものを作っちゃうんですかね?MS帝国は。
ヨドバシの店員さんの強いススメで,Windows7「風」のインターフェイスになるソフトを抱き合わせで購入しました。まったく本末転倒。
電子内容証明がWindows8でも!
実は事務所に1台だけ年代物のXPマシンを残しておりました。内容証明郵便用に。
そう,これまで(いつまでかは知りませんが),電子内容証明サービスはXP(プラスInternet Explorer,しかもバージョンの低いヤツ)しかサポートしていなかったのです。
その後7などにも対応したことになっているのですが,32bit版のみで64bitには対応していませんでした。
それが,このタイミングで動作環境を確認したところ,Win7やWin8のしかも64bit版までサポートしていることがわかったのです!
(ただし,IEのみであることは変わりません。また一太郎には対応せず,Wordも最新の2013には対応していないようです。)
通常の内容証明郵便の出し方
ところで,ご覧のみなさまは内容証明郵便を出されたことございますでしょうか。
要するに,
1 全く同じ文面の手紙を3部(送付用,差出人控用,郵便局保管用)と封筒2部(送付先,差出人用)を作成し,
2 比較的大きめの郵便局にもっていく
3 郵便局の担当者と文面を確認する
4 費用を納めて,送付先に送る
というステップが必要なのです。
どこの郵便局でもやっているわけではありませんし,局員と目視で確認(読み合わせ)をするわけですから,どうしても時間がかかります。部数が多いとお互い大変です。
弁護士の中には「赤い印影(要するに判子)がないと威厳が感じられない。舐められそう。」といってこのクラシカルな方法にこだわっている方もおられますが,実際の効果はどうなんでしょうか。
手間と費用の面から,電子一択
といいたいところですが,さすがはお上仕事。問屋が卸してくれません。
電子内容証明のメリット・デメリット
メリット
1 早い・待たない
いちばんのメリットだとおもいます。というか,これをおいて他にないと言っても過言ではない。
うまく送信できさえすれば,パソコン操作だけですべて完了してしまいます。
ただ,混雑状況によっては,数時間,場合によっては10時間以上発送にかかることがあります。発送状況はオンラインでいつでも確認できます。もちろん,発送の操作さえ完了しておけば,待っているだけで順番に発送してもらえます。
2 文面のルールが多少ゆるい
通常の内容証明郵便には,もろもろのルールがあります(横書きの場合1行20字以内、1枚26行以内など。くわしくはこちら)。
内容証明郵便用の原稿用紙も市販されています。
あの,字間が空いた独特の内容証明の雰囲気が個人的にはあまり好きではありません。
電子内容証明であれば,ある程度自由なフォーマットで作成できます(といっても全く自由ではありません。)。
見落としがちな注意としては,下部の余白(横書きの場合)。通常の文書にくらべて大幅に広い7センチ以上を取らなければなりません。
さらに注意しなければならないのは,元の文書の下部の余白が十分でない場合でも,7センチ分問答無用でカットされてそのまま送ることができてしまうということ。
白状すると,一度これで失敗したことがあります。送った先(つまり事件の相手方)から電話が来て,「申し訳ありませんが,文が途中で切れてるみたいなんですけど…」と言われてしまい,慌てて完全版を普通郵便で送りました。事件そのものは極めて円満に終わって良かったのですが,発送の前のチェックは重要ですね。
3 安い
最後のメリットですが,料金の安さが上げられます。
通常の内容証明の加算料金(これだけで送れるわけではありません。)は次の通りです。
(郵便局HPより)
電子内容証明だと
というかんじです。ちりも積もればですね。
デメリット
当然,デメリットもあります。環境次第では使いたくても使えないということもあるでしょう。
1 マシンスペックを選ぶ(最新の環境だと使えない可能性がある)
これは,大きな問題です。
WindowsのみでMacに対応していないことはもちろんのこと,ブラウザも主流である(と思っている)ChromeやFireFoxに対応していません。
Internet Explorerもいまでこそ10に対応していますが,かつては10が出てしばらくたっても非対応でした。
これが何を示しているかというと,マシンのほうで自動アップデートをしてしまうとある日突然使えなくなるということなんです。
Wordも2013に対応していません。たいがいこの手のサービスって,最新版に対応していると書いてなくても使えたりするんですが,電子内容証明はホントに使えないことがほとんどですw
今後も最新バージョンへのフォローは後手後手になるんでしょうね。
2 決済方法の選択肢が狭い
こっちも実は大きな問題です。
決済手段が,クレジットカードか料金後納制度を利用するかいずれかしかありません。
料金後納制度は,事前の承認が必要ですが,およそ月50通以上をコンスタントに出すことが目安になっているようです。いくら弁護士といえども月に50通をしかもコンスタントに出すことはありません。
となると,クレジット決済しかなくなりますが,環境によっては使えない人もいることでしょう。
振込やペイジーなどの手段が取れるとグッと利用価値が上がると思うのですが。
インストール方法
かつてXPに入れたときは結構苦労した記憶がありますが,今回は意外とすんなりでした。
まず,ホームからダウンロードサイトに。
ダウンロードしたファイルを解凍後,インストールします。(XPのときはここでエラーが出た記憶)
インストール完了後,アプリを起動するとこんなファンシーな画面が。
実はこのアプリ(ケーション),郵便ファイルの送信(アップロード)をするまでのもので,具体的な(物理的)発送の手続はブラウザになるというややこしいシステムです。
e-Taxといい,お上のやるIT(イット)はもう少し使い勝手が良くなるといいんですがね。
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