裁判所から回ってくるお仕事の一つに、「破産管財人」というものがあります。
破産管財人とは、ごく平たく言うと、破産者の財産を調査し、お金に換える必要のあるものは換金し、債権者に分配できる程度にまで達したときにはこれを平等に配当するという役割を担っています。
こうした役割を担うため、破産法上、破産者の郵便物が一旦すべて破産管財人に転送されることになっています。破産管財人は郵便物の中身をチェックし、破産手続上処分を有する財産等がないかどうかを確認するわけです。
というのが前置きですが、先日このようなお便りが転送で届きました。
(一部画像処理しております)
早い話が、ヤミ金融屋さんからのDMです。
100万円までの借金であれば「年利」18パーセントまでしか取ることはできません。
さらに年利20パーセントを超える利息を取ることは出資法違反で犯罪になります。
このDMでは「当社は月10%のお利息です」と堂々と謳ってますが、年利120パーセントですので、完全アウトです。
さらにご丁寧に詐欺業者や悪徳業者についての解説までされております。
みなさんご唱和ください。
「おまえがいうな」
「こうした内容(※編集者注 詐欺)に少しでも心当たりがある場合は、すぐにお電話ください」となると、さっぱり意味が分かりません。どうして詐欺に心当たりがあるとヤミ金に電話しなきゃいけないんでしょう???
どうして破産者の個人情報をもっているのか
ところで、このDM、とある破産者の方宛に届いたものです。
この破産者の方は、以前にヤミ金から借りていたわけではありません。
では、 どうして破産者の個人情報をこの業者がもっているのでしょうか。
それは官報をチェックしているからです。
官報には、破産者の情報が載ります。
これは本来利害関係者(債権者など)が破産手続開始決定の存在を把握し、自分の権利を行使するなどの目的があるのですが、こうした個人情報をヤミ金屋さんは悪用するわけですね。
破産をするとヤミ金のDMがよく来るというのはこういうカラクリです。
破産者に金を貸して儲かるのか
素朴な疑問として、破産したばかりの人にお金を貸しても商売になるのか?回収できるのか?とお思いになるかも知れません。
それが残念ながら、いい商売になるようなのです。
通常、破産をして免責の決定をもらうと、剝こう7年間は再び免責を取ることが原則できません。
つまり、一旦破産直後にヤミ金に手を出してしまうと、ふたたび破産という形での救済は受けられなくなるのです。
こうした業者は巧みにこの辺りの弱みを突いていきます。最終的には返済しないといけないと思わせるわけですね。
普通は、破産直後で財産がない、でも返さなければいけない、となると、ヤミ金から紹介された別のヤミ金から借りさせられたり、明らかに怪しい犯罪行為に荷担させられたりと転落していくことになりかねません。
みなさんは、決してヤミ金や違法金融業者に手を出さないよう、気をつけましょう。
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