「マラソン中毒者もすなるウルトラといふものを われもしてみむとてするなり」(詠み人知らず)
昨年、第1回のこの大会が開催されたことは知ってました。 それと同時に、「クソ暑い6月の東京でウルトラ?そんな(アホな大会出る)やつおらんやろー」と本気で思ってました。 どうしてこんなことになってしまったのか。 どうしてこんなアホな大会をポチしてしまったのか。 記憶が完全に欠落しているのですが、間違いなく自分でエントリーしてました。 完全に欠落したはずの記憶をたどってみると、「6/8のいわて銀河か、6/1の柴又、どっちに出るの?」とあたかも出ることが前提になった完全な誘導尋問がなされていたような気がします。 裁判だったら完全に異議が出ます。 「いつやるの?」っていわれても、よい子のみんなは条件反射で答えないようにしましょう。後悔するのは「いまでしょ!っていったあとでしょ!」 (なお、クソ暑い時期にウルトラをやるのは、日が長くないと後半ほとんどが夜間レースになってしまい、安全上もコスト上も問題があるからだと思います、たぶん。)
柴又100Kエントリー
柴又100K~東京⇔埼玉⇔茨城の道~【公式】
うたい文句は「制限時間14時間!フラットで走りやすいコース!」とのこと
まあ!これなら私にもできそう!!
ってなるか!!!
なんか、都合の悪いところを隠した優良誤認を招くような表現ですよね。
レース当日まで
3月中がエントリー期限でした、 4月1日にみんながウソついてるなかで、ひっそりと「6月1日にこれ出るんだ」とFB上でぼやいてみました。 だれも本気にしてくれませんでした。 エントリー後、ロードの練習を(少しだけ)しました。結局、月間200キロいったことは一度もないけど(^_^; 本当に大丈夫なんだろうか?不安しかありません。 なお、本番2日前の金曜日。第1回柴又に出られた方からお話を聞く機会がありました。 その方曰く、 「コースが単調で心が折れる。2.5キロおきに現れる橋に心が折れる。折り返しのエイドのあとが長くて心が折れる。70キロ過ぎて「あと30キロか」と心が折れる。80キロ過ぎて「あと20キロか」と心が折れる。最後は寒くなってぶるぶる震えて心が折れる。(以下略)でも、ぜったい何があっても完走してね。」 と大変勇気づけられるお言葉を頂戴しました(この方、今年は出ないそうです。)。
レース当日
この日は朝3時起き。 当日、予報では、気温32度。実測では35度はいくであろう絶好のマラソン日和(ノД`) こんな日に走るやつおらんやろー、と朝5時台の都営浅草線−京成線に乗り込むと おるわおるわ中毒者(ジャンキー)たちが。 柴又駅を下りると、ジャンキーたちが柴又帝釈天を横目に会場である河川敷までぞろぞろむかいます。 会場の様子。ジャンキー勢揃いです。
スタート5分前。場所を選んでるヒマはなかった。
6:30、100キロの部から順にスタートしてきます。 なお、60キロの部もあります。フルマラソン以上なのに、100キロと一緒の大会だと、「親子ラン」くらい軽く見られてもったいない気がします(個人的感想)。
コースの特徴
私の感じたこの大会の特徴は次の通りです。
①コースはフラット。だけど局地的なアップダウンはある。
柴又100Kの高低図はこんな感じになっています。 高低差、実に20m。100kmで20mなので本当にフラットです。 前に引き合いに出た「いわて銀河」は高低差500mくらいあるそうですから、本大会は実にフラットなんです。 でも、この心電図みたいなピコピコ、気になりますよね。 この正体は、堤防の上り下りです。 概ねコースは堤防の上をひたすら走り続け、定期的に来る橋の下にエイドをとるというかたちになります。 エイドに行くたびに堤防を駆け下りて、終わったら駆け上がる、というのがちょくちょくあります。前半は律儀に走ってたのですが、後半はまったく走る気力はなくなりました。
②エイドの数は十二分。だけど、給「食」にもう一工夫を。
エイドは、約2.5キロおきにあります。これだけあれば、水分補給(水、スポーツドリンク、途中からコーラ)は概ね問題ないと思います。 現に、全てのエイドで水分補給していたら、お腹がタプタプになってしまいました(ただし、「喉」は乾くので、どんどん注ぎ込む感じ)。 水かぶりも、気持ちいいです。iPhoneなどをウエストバッグに入れていたのですが、途中からお構いなしに浴びまくっていました。帽子の上からかけた方がいいのか、帽子を脱いで直接かけた方がいいのかは、いろいろ試してみましたが、よく分かりませんでした。両方同時にやってもいいかもしれません。 ちょっと残念だったのは給「食」のほう。 パン、銀シャリ(上に何もない酢飯)、カステラみたいなもの、もなか、レーズン、スイカ、塩、折り返しの大エイドでは、キュウリ、トマト、うどんなどがありました。 でもねえ、バナナやリンゴなどのフルーツがほしかったんですよね(レーズンはありましたが、口に残りそうで手を出しませんでした。)。パンとかカステラとかは口の中がぱさつく気がするし、後半でご飯は胃に来るんです。 最後の2キロを切ってから、手が震え始め、ハンガーノックの兆候がありました。自分でもきちんと調整しておかないとダメだな。
③単調さは、覚悟していればなんとかなる。
当初、ずーーっと川だけを見ながら走るものだと思っていたので、この単調さはどうしたものかとおもってました。 でも、予め覚悟していたので、堤防の上から見る町並みなんかをむしろ楽しむ余裕がありました。あ、石川遼の出身地(松伏町)だとか、些細なことでわざと驚いてみるというのも精神衛生上いいかもしれません。 また、退屈しのぎ(自分で走っておいてなんですが)に、オーディオブックをiPhoneで聞いてました。 たまたま選んだのがこれ。

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イン・ザ・プール
- 奥田英朗
- 定価:1296円
精神科医に勧められて水泳を始めたらはまってしまって、精神科医共々中毒になってしまった、という話。 「水泳やジョギングでアドレナリンが出ると依存症になってしまう」という、100キロ走りながら聞く内容ではなかったと軽く後悔(はしていません。)。 映画化もしてたんですね。知りませんでした。 走りながらオーディオブックを聞くのはお勧めですよ。
走りながら出会った人々
100キロも走るといろんな人と出会います。
南極に行く人
20キロあたりですれ違った人の背中に釘付けになってしまい、ついつい声をおかけして写真を撮らせてもらいました。「止まらなくて結構ですよ」といいながら。 南極100キロマラソンですよ!4週連続100キロの3週目ですよ!まさにジャンキーじゃないですか! で、「検索!」と言われたブログを検索してみたらこの方でした。
オカケンの自遊ブログ
すごいなあ。雲の上だなあ。そこまであまり(略
小野裕史さん?!
完全に限界を超えた85キロあたり。とぼとぼ歩いていると、前方からハイタッチで逆走してくる人が! 元気を振り絞ってハイタッチしてすれ違った瞬間、どこかで見た記憶がある人だなとビビっときました。 「小野さん!?」 考えるより先に言葉が出ていました。この方も「お?」という感じで私に歩み寄ってくれました。 さすが小野さん、ジャンキー界のトップに君臨する方だ。去年出てたのは知ってたけど、今年は応援に回ってるんだ! 写真撮影もにこやかに応じてくれました。自撮りがうまくいかないと、後続の方が写真を撮ってくれました。 私は急に元気が出て、再び走り始めることができました(ただし500mくらい)。 ゴール後に改めて写真を見てみると、 「ナンカチガウ」 どうみても別人でした。ごめんなさい。このかたもどうして自分が声をかけられたのか理解されていないと思います。大変失礼しました。
感動のゴール
残り12キロまで、実は制限時間に間に合わないペースでした(自分では気づいてなかったけど)。 でも、そこから「応援」をうけ、奇跡の挽回、猛ダッシュ!90から95まではまさかのキロ6分台でいけました。 その後、腎臓付近に痛みを感じ、歩きながら残り時間を逆算。そして最後2キロちょっとをふたたびダッシュ! (途中、98キロ地点で「20時15分で98キロ関門です」との声がありました(この時点で20時13分)。焦って通過したんだけど、こんなところに関門があるなんてどこにも書いてなかったぞ。まあいいや。) 恒例の「ゴールかと思ってダッシュしたらホントのゴールはまだ少し先立った」というトラップにも見事に引っかかりながら、ギリギリ制限時間内でゴール! ちなみに結果(速報ベース)
5キロごとのラップなんですね。前半はわざと抑えたんだけど、後半遅すぎ。
終わりに
初めてのウルトラ(100キロ)。フルマラソンがこれまでの最長距離だったので、未知の世界が非常に長く、最初は不安しかありませんでした。 終わってみると、非常に楽しい大会でした(完走できたという事実によって美化されているとおもいますが。)。 ただ、また100キロやるか?といわれれば考えますね。すこし気力の回復が必要です。 一夜明けて体がバキバキ。まともに歩くこともできません。何日か連続で走る競技もありますが、よく出られるなと尊敬します(フリじゃないよ。)。 つぎいつやるか? (少なくとも)いまじゃないでしょ!
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