はじめに
1年に21万組以上のカップルが離婚する時代。夫婦関係は、残念ながら永遠に続くとは限りません。
いろんな事情で離婚したいとおもっても、すぐに行動に起こすのはちょっと待って。
結婚よりも何十倍も労力を要するという離婚です。ここは一つ、冷静にご自身の将来を考えてみましょう。
離婚後は、自力で生活しなければならない。
夫婦は民法上お互いに助け合う義務があります。当たり前ですが、離婚をしたらこの義務はなくなってしまいます。つまり、あなたの分の生活費はあなた自身でなんとかしなければなりません。
離婚したときに、仮に慰謝料や養育費がもらえたとしても、それは今後の生活を維持するためのものではありません。子供の養育費についても、あなたの生活費ではありませんし、子供の養育のための費用をすべてまかなえる金額でもありません。
離婚後のライフプランは不可欠です。
今ここが描けないのであれば、描ける準備をするのが最優先です。困るのはあなたですから。
子供のことを考える。
お子さんがいらっしゃる夫婦においては、離婚で一番影響を受けるのがお子さん自身です。
離婚の話し合いの中で、まず必ず決めなければいけないのが親権者の指定。イクメンブームもあって、親権に関心の高い男性は非常に増えています。まず、ここのハードルを超える必要があります。
ネット上の知識(とネット上で書く自己矛盾はお許しください(笑))で、「わかった。親権者と監護権者(実際に同居して養育する権利)を分けよう」という提案があるかもしれません。でも、ちょっとまった。親権と監護権を分けるということは、実際に同居している親が子供のことを決める権利がないということです。高校に入るとき、就職するとき、大きな契約をするとき、離婚した相手ときちんと話し合えますか?いろいろとゴネられたらどうしますか?親権者と監護権者を分ける方法というのは、ないわけではないのですが、あまり現実的ではありません。
親権者が決まれば、養育費の問題です。東京家庭裁判所が算定表http://www.courts.go.jp/tokyo-f/vcms_lf/santeihyo.pdfを出していますので、概ねこれを前提に決まります。試算していただければ分かるように、この養育費だけで子供を養育していくには難しいケースが多いでしょう。足りない分はあなたがなんとかするしかありません。
また、お子さんの学校や教育のことにも思いを巡らせましょう。子供によりよい教育を与えてやりたい、お友達との関係をそのままにしてあげたい、というのは親心として当然です。しかし、相手からもらえる養育費でそれが維持できるかどうか、そろばんをはじかないといけません。
DVなどの被害にあっている場合
配偶者からDVの被害に遭っているなどのケースにおいては、悠長なことをいっていられません。まずはあなたの身を守ることが重要になってきます。
警察と区役所の福祉保健センター、弁護士などに相談して、シェルター、母子支援施設等を利用して別居することや保護命令を取得することについて検討してください。
監視されていてなかなか準備できない、という方の場合でも、うまく連携してXデーに別居(シェルター等)ということもできます。1人で悩まずに相談して下さい。
次回以降、具体的な離婚手続について説明していきます。